2022年まで週刊ヤングジャンプで連載していた「ゴールデンカムイ」。本作に登場する樺太アイヌの男性キャラ・キロランケは主人公・杉元佐一やアシㇼパの仲間として行動し、アイヌ出身ならではの知恵をいかして活躍していました。ノリのいい兄貴分的な人柄が読者の間で好評をはくしていたため、彼の最期に衝撃を受けた人は少なくありません。そこで今回は「ゴールデンカムイ」キロランケの死亡シーンと共に、真の目的や裏切りの理由を解説します。
キロランケの死亡シーンを解説
「ゴールデンカムイ」キロランケの死亡シーンは、コミックス19巻およびアニメ第3期35話・36話で描かれています。それではキロランケがどのような最期を迎えたのか確認していきましょう。
流氷原の上で谷垣と激突
キロランケは網走監獄での決戦をきっかけに杉元佐一と決別。埋蔵された金塊にたどりつくための記憶をアシㇼパが持っていたため、彼女を連れて古い仲間と合流し、ロシアの大陸側へと渡って本来の目的を果たそうとしていました。しかし流氷原の上を移動していた最中に谷垣一等卒に見つかり、彼の急襲を回避できませんでした。そして激しい肉弾戦のすえに、谷垣一等卒が小刀をキロランケのみぞおち付近に刺しました。この小刀は元々キロランケが所持しており、谷垣一等卒の恋人であるインカラマッに重傷を負わせた時に使った武器でした。
致命傷を負いながら奮戦
小刀が身体に深く突き刺さったキロランケは谷垣一等卒を振り払って逃走を図ったものの、月島軍曹と鯉登少尉に見つかって乱戦に巻き込まれました。手製の手りゅう弾を駆使して応戦しましたが、谷垣一等卒によって致命傷を負わされていたために本来の実力を発揮できませんでした。結果、月島軍曹の銃撃と鯉登少尉の斬撃によって瀕死の状態になりました。
アシㇼパの言葉を聞いて永眠
キロランケの死の間際、吹雪の中ではぐれたアシㇼパが彼の元に駆けつけて金塊にたどりつくための記憶を取り戻したことを伝えました。その言葉を聞いたキロランケはアシㇼパにすべてを託して問題ないと思い、流氷原の上で息を引き取ったのでした、そして白石が遺体に氷を積んで弔い、古い仲間の1人であるソフィアが生前愛用していた小刀を墓標として置きました。弔いに使われた氷はキロランケの故郷・極東ロシアに流れるアムール川の水が凍結したものでした。キロランケの魂は故郷に戻り、安らかに眠ったのではないでしょうか。
キロランケの目的とは
「ゴールデンカムイ」キロランケの死亡シーンの前後で、彼の目的や裏切りの理由が判明しています。それではまずキロランケが何を目的に行動していたのか確認していきましょう。
帝政ロシアからの解放
キロランケが幼い頃、帝政ロシア政府が極東ロシアと樺太島で勢力を拡大し、容赦なく少数民族から土地を奪っていました。各地で根付いていた文化が失われていく状況にキロランケは憤りを感じ、帝政ロシアに抵抗するレジスタンスとして活動を開始。15歳の時には、アシㇼパの父・ウイルクらと共謀して当時のロシア皇帝・アレクサンドル2世を暗殺しました。キロランケ自身が極東ロシアのアムール川流域に暮らす少数民族だったからこそ略奪される人々の苦しみを強く感じ、帝政ロシアからの解放を熱望していたのかもしれません。
目的は連邦国家の樹立
暗殺実行後、首謀者のキロランケとウイルク、ソフィアは革命派の英雄として少数民族に称えられたものの、帝政ロシアに指名手配されて命を狙われることになりました。それでもキロランケとウイルクは極東ロシア・樺太島・北海道において少数民族が弾圧されている状況を憂い、3つのエリアを含めた連邦国家の樹立構想を諦めませんでした。とりわけウイルクが目標達成のために最短距離で突き進む合理性と傑出した指導力を持っていたため、キロランケは連邦国家の樹立構想実現を信じていました。
裏切りの理由は?
キロランケとウイルクはレジスタントの活動を始めてから長年にわたって行動を共にし、運命共同体のごとく強い絆で結ばれていました。しかしロシアを脱出して北海道にたどり着いた後2人の関係が悪化。キロランケは尾形上等兵と水面下で手を組み、網走監獄で囚人となっていたウイルクの射殺計画を実行しました。なぜ長年の相棒を殺害したのか、ここからはキロランケが裏切った理由を解説します。
本来の目標変更に対する怒り
ウイルクはアイヌの女性と結婚して愛娘・アシㇼパを授かると、レジスタント時代からの目標を変更。北海道のみを独立させて、樺太島と極東ロシアの少数民族に北海道に移住してもらうべきだと主張するようになりました。確かに四方を海に囲まれている北海道ならば帝政ロシアによる侵略を防ぎやすいものの、すべての少数民族が北海道に馴染めるわけではありませんでした。それゆえウイルクの目標の変更は一部の少数民族を見捨てる行為と同義であり、キロランケにとって許せないことだったのです。
ウイルクの人柄の変化も影響
キロランケはウイルクの目標変更に激怒して彼を殴ろうとしましたが、背後から首を絞められて昏倒。意識を取り戻して目覚めた時には、腕を木にくくりつけられていました。昔のウイルクは合理的で余計な優しさのない狼に憧れ、自身の障害になりうる人物を生かしておくなどありえませんでした。しかし家庭をもうけてから性格が柔らかくなり、非情さが薄れてしまいました。その人柄の変化を実感したキロランケは失望し、見限ることを決意。そしてウイルクが憧れていた狼の生きざまになぞらえて殺害を実行したのでした。
まとめ
極東ロシアの少数民族として生まれたキロランケ。テロリストとなった後は過酷な逃亡生活を送り、5000キロ以上の距離を移動したすえに日本にたどり着きました。北海道で伴侶と子どもを得て平穏に生活していましたが、彼の故郷に対する愛情は並々ならぬものだったのではないでしょうか。そのため自身の命をとしてでも、連邦国家樹立構想を実現させようとしていたのかもしれません。


